昔治療した歯の根元が腫れてきた?根尖性歯周炎と再治療のタイミングを解説
2026/09/20
こんにちは、武蔵小杉駅徒歩3分の歯医者、武蔵小杉ネゴ歯科矯正歯科です。
一度治療を終えた歯に、根尖性歯周炎と呼ばれる炎症が起きることがあります。
今回は、根尖性歯周炎の仕組みや原因、症状、リスク、治療方法について解説します。
根尖性歯周炎とは
根尖性歯周炎とは、歯の根の先端部分(根尖)が細菌に感染し、その周囲の骨や組織に炎症が広がる疾患です。
急性と慢性の2つのタイプがあり、急性の場合は強い痛みや歯ぐきの腫れ、発熱などが現れます。
一方、慢性の場合は自覚症状がほとんどなく、レントゲン撮影をして初めて発見されるケースもめずらしくありません。
ただし、慢性型でも突然急性化することがあります。
根尖性歯周炎と根管治療との関係
歯の内部には、神経や血管が通る細長い管があり、虫歯が進行してこの根管にまで感染が及んだ場合や、歯が折れたりひびが入ったりした場合には、感染した神経や組織を除去し、根管内を消毒・洗浄する根管治療が行われます。
しかし、根管は複雑な形状をしており、肉眼では確認しにくい細かな枝分かれや湾曲が存在します。
そのため、どれだけ丁寧に治療を行っても、わずかに細菌や感染組織が残ってしまうことがあります。
残存した細菌は時間をかけて根の先端へと移動し、やがて周囲の骨や組織に炎症を引き起こします。
根尖性歯周炎の主な原因
根管治療後の細菌の残存
根尖性歯周炎の原因の一つは、過去の根管治療で除去しきれなかった細菌や感染組織です。
根管は複雑に入り組んでいるため、器具が届きにくい部分などに細菌が残り、時間がたってからその細菌が活性化して炎症を起こすことがあります。
根管充填材の劣化や隙間
根管治療では、清掃した根管の内部を密封する根管充填と呼ばれる処置が行われます。
この充填材が長年の使用によって収縮したり、歯がわずかに動いたりし、できた隙間から口腔内の細菌が根管内に再侵入することも、根尖性歯周炎の原因です。
かぶせ物や詰め物の劣化・不適合
根管治療後の歯に装着された補綴物が時間とともに劣化することも、根尖性歯周炎の原因です。
歯との間に生じた微細な隙間から細菌が侵入すると、根管内が再び汚染され、根尖性歯周炎が発症します。
歯のひびや破折
歯にできたひびから細菌が根管内に侵入し、根尖性歯周炎を起こすリスクがあります。
歯のひびは食いしばりや歯ぎしり、硬いものを噛んだ際の衝撃などが原因で生じます。
特に神経を取り除いた歯は脆く、ひびや破折のリスクが高い状態です。
歯周病による感染経路の形成
歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、細菌が根の先端付近にまで達することがあります。
これを歯周性根尖病変と呼び、歯周病と根尖性歯周炎が複合的に関係している状態です。
この場合、根管治療だけでなく歯周治療も同時に行う必要があります。
外傷による神経の壊死
歯をぶつけた際の衝撃によって、歯の神経が傷ついたり、栄養供給が途絶えて壊死したりした場合も、細菌の温床となって根尖性歯周炎につながるリスクがあります。
根尖性歯周炎の症状
歯ぐきの腫れやフィステル
慢性の根尖性歯周炎が進行すると、根の先端付近に膿が溜まった袋(根尖病巣)が形成されます。この膿が歯ぐきの表面に向かって排出されようとする際に、歯ぐきにフィステルと呼ばれる膨らみが現れることがあります。
噛んだときの違和感や痛み
根尖性歯周炎が進行すると、食事中に特定の歯で噛むと違和感や痛みを覚えるようになります。炎症が強くなると、その歯に食べ物が触れるだけで鋭い痛みが走ったり、開口障害を引き起こしたりします。
放置した場合のリスク
骨吸収の進行
根尖性歯周炎を放置すると、炎症が周囲のあごの骨を溶かし続け、歯を支えるための骨が失われます。
骨の吸収が広範囲に及ぶと、歯を保存できず抜歯が避けられなくなる場合もあります。
隣接する歯への影響
根尖病巣が大きくなると、隣の歯の根の先端にまで炎症が波及することがあります。
また、永久歯の根元に乳歯の根尖病巣が近接していた場合、永久歯の発育に悪影響を与えることもあります。
顎骨炎や蜂窩織炎
根尖性歯周炎が急性化し感染が広がると、あごの骨に細菌が及ぶ顎骨炎(がっこつえん)や、顔や首の軟部組織全体に感染が広がる蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こすことがあります。
根尖性歯周炎の治療法
再根管治療
根尖性歯周炎に対する基本的な治療法は、再根管治療です。既存の根管充填材を取り除き、根管内を再度清掃・消毒します。
歯根端切除術
再根管治療を行っても治癒が期待できない場合や、根管が閉塞しており器具が通らない場合などには、外科的な処置として「歯根端切除術」が選択されることがあります。この手術では、歯ぐきを切開して骨に小さな穴を開け、感染した根の先端部分を切除するとともに、切断面を専用の材料で封鎖します。
抜歯
根尖性歯周炎が重度で、歯根の破折が広範囲にわたっている場合や、根管や骨の状態が治療に耐えられないほど悪化している場合、複数回の再根管治療や外科処置を行っても治癒しない場合などには、抜歯が検討されます。
治療後の経過と注意点
治癒までの期間
再根管治療後、根尖部の骨が回復するまでには一定の期間が必要です。治療後は定期的にレントゲン撮影を行い、経過観察を続けることが重要です。
再発防止のためのセルフケア
治療後の再発を防ぐためには、日々のセルフケアが欠かせません。根管治療を受けた歯は神経がないため痛みを感じにくく、虫歯が再発しても気づきにくいという特性があります。歯磨きの際には、治療した歯の歯ぐきの際や補綴物の境目を特に丁寧にブラッシングし、デンタルフロスや歯間ブラシも活用して口内を清潔に保つ必要があります。
補綴物の管理
再根管治療後に装着するかぶせ物は、細菌の侵入を防ぐ役割を担っています。治療後は、補綴物に緩みや欠けが生じていないか、状態を定期的に確認することが再発防止につながります。
まとめ
根尖性歯周炎は、過去に治療を受けた歯の根の先端に細菌感染が起き、周囲の骨や組織に炎症が広がる疾患です。
慢性タイプは自覚症状が乏しいことが特徴であり、早期発見・早期治療が重要です。
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