銀歯を白い歯に!セラミック治療の種類・費用・保険適用まで徹底解説
2025/08/15

「笑った時に銀歯が見えるのが気になる」
「銀歯を周りの歯と同じような白い歯にしたい」
といった悩みを持つ方は少なくありません。
現在の歯科治療では、天然の歯と見分けがつかないほど自然で美しい白い歯を手に入れることが可能です。
その代表的な選択肢が「セラミック治療」です。
この記事では、銀歯を白い歯に変える方が増えている理由、美しく機能的なセラミック治療の全体像、セラミックの種類と特徴、そして保険適用の白い歯(CAD/CAM冠)とセラミック治療の違いについて、歯科医師の視点から分かりやすく解説します。
なぜ?「銀歯」を白い歯に変えたい人が増えている理由

多くの方が銀歯を白い歯に変えたいと考える一番の理由は見た目ですが、実は歯科医師の視点から見ると、銀歯には見た目以外にもいくつかのデメリットが存在します。
見た目の問題(審美性の低さ)
銀歯最大のデメリットは、目立つことです。
白い歯の中に金属色があると、口元全体の清潔感が損なわれ、コンプレックスの原因になることがあります。
金属アレルギーのリスク
保険の銀歯(金銀パラジウム合金)は、唾液によって金属イオンが溶け出すことがあります。
これが体内に蓄積されると、ある日突然、原因不明の口内炎や皮膚炎といった全身的なアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
歯茎の変色(メタルタトゥー)
溶け出した金属イオンが歯茎に沈着し、黒っぽく変色させてしまうことがあります。
一度変色すると元に戻すのは難しく、審美性を大きく損ないます。
二次虫歯(虫歯の再発)のリスク
銀歯を留めているセメントは経年劣化し、歯と銀歯の間に隙間ができます。
そこから虫歯菌が侵入し、銀歯の下で虫歯が再発しやすくなります。
発見が遅れ、神経を抜くことになるケースも少なくありません。
「セラミック治療」とは?美しさと機能性を兼ね備えた選択肢

セラミックは、陶材を歯科用に改良した、非常に体に優しい素材です。
主に3つの大きなメリットがあります。
天然歯のような圧倒的な審美性
天然歯の持つ透明感や光沢、微妙な色合いまで忠実に再現でき、治療したとは分からないほど自然な仕上がりになります。
体への優しさと長期的な安定性
陶材なので金属アレルギーの心配がなく、水分を吸収しないため変色も起こりません。長期的に安定した素材です。
虫歯の再発リスクが低い
表面が滑沢で汚れが付着しにくく、歯との適合性も極めて高いため、虫歯菌が侵入する隙間ができにくく、二次虫歯のリスクを大幅に低減できます。
セラミックの種類:e.maxとジルコニア、あなたに合うのはどっち?
当院では、e.maxとジルコニアの2種類のセラミックを使用しています。
それぞれの特徴を十分に理解し、ケースに合わせて適したものを選択します。
e.max(イーマックス)

Ivoclar Vivadent社が開発した「ニケイ酸リチウムガラスセラミック」で、最大の特徴は、天然の歯が持つ光の透過性や、繊細な色合いを忠実に再現できる、卓越した審美性にあります。
e.maxのメリット
圧倒的な審美性
ガラスセラミックならではの透明感があり、特に前歯の治療でその能力を最大限に発揮します。
歯との適合性が高い
精密な加工が可能で、歯と強固に接着するため、二次虫歯のリスクを低減できます。
適度な硬さ
天然の歯に近い硬さなので、噛み合う相手の歯を傷つけたり、過度に摩耗させたりする心配が少ないです。
体に優しい
金属を一切使用しないため、金属アレルギーや歯茎の変色の心配がありません。
e.maxのデメリット
強度面での限界
ジルコニアと比較すると強度は劣ります。
強い衝撃で割れる可能性
歯ぎしりや食いしばりが極端に強い方の場合、欠けたり割れたりするリスクがあります。
土台の歯の色に影響される
透明感が高いゆえに、土台の歯の色が濃く変色している場合、その色が透けて見えてしまう可能性があります。
こんな方・こんな部位におすすめ!
見た目の美しさを最優先したい方
前歯の被せ物や部分的な詰め物
歯の表面に薄いセラミックを貼り付ける「ラミネートベニア」
ジルコニア

「酸化ジルコニウム」を主成分とするセラミックで、その驚異的な強度から「白い金属」とも呼ばれます。
金属に匹敵するほどの強度と耐久性が最大の特徴です。
ジルコニアのメリット
圧倒的な強度と耐久性
非常に丈夫で割れにくいため、噛む力が強くかかる奥歯の治療に最適です。
幅広い適応範囲
その強度を活かして、単独の被せ物だけでなく、複数本の歯をつなぐブリッジ治療にも対応できます。
土台の色を隠せる
透明性が低いため、神経を抜いて黒ずんでしまった歯や、金属の土台の色をしっかりと隠して白くすることができます。
体に優しい
e.max同様、金属ではないためアレルギーや歯茎の変色の心配がありません。
ジルコニアのデメリット
審美性(透明感)
e.maxと比較すると、光の透過性は低く、天然歯特有の透明感を再現するのは難しい場合があります。
硬すぎることによる懸念
非常に硬いため、長期間の使用で噛み合う相手の天然歯を少しずつすり減らしてしまう可能性があります。
加工・修正の難しさ
硬いがゆえに、一度製作したものの修正が難しく、高い技術力が求められます。
こんな方・こんな部位におすすめ!
奥歯など、強い力がかかる部分の治療をしたい方
ブリッジ治療で白い歯を入れたい方
歯ぎしりや食いしばりの癖があり、歯の強度を重視したい方
土台の歯の変色が強く、しっかりと白くしたい方
比較項目 | e.max | ジルコニア |
---|---|---|
審美性(美しさ) |
◎(非常に高い透明感) |
〇(透明感は劣るが自然な白さ) |
強度(丈夫さ) |
〇(天然歯と同程度) |
◎(金属に匹敵する強度) |
適した部位 |
前歯、小さな詰め物 |
奥歯、ブリッジ、前歯 |
噛み合う歯への優しさ |
◎(歯を傷つけにくい) |
△(相手の歯を摩耗させる可能性) |
保険適用の白い歯「CAD/CAM冠」とセラミック治療の決定的な違い

近年、保険が適用される白い被せ物として「CAD/CAM(キャドキャム)冠」が登場し、適用範囲も広がっています。(※2023年12月より、条件付きで全ての歯に適用可能となりました)
CAD/CAM冠は、セラミックとプラスチックを混ぜ合わせた「ハイブリッドセラミック」で作られます。保険が適用されるため、費用が安いのが最大のメリットです。
しかし、自費のセラミック治療とは何が違うのでしょうか?
比較項目 | 自費セラミック治療 | 保険のCAD/CAM冠 |
---|---|---|
素材 |
100%セラミック(陶材) |
ハイブリッドセラミック(プラスチック混合) |
見た目 |
◎ 変色せず、天然歯のような美しさが持続 |
△ いずれ変色する。見た目は単調 |
耐久性 |
◎ 非常に硬く、すり減りにくい |
△ 比較的すり減りやすく、割れることも |
二次虫歯リスク |
◎ 適合性が高く、リスクが低い |
△ 劣化による隙間ができやすく、リスクは高め |
費用 |
高い(1本 55,000円〜) |
安い(1本 1万円前後) |
結論として、どう選ぶべきか?
短期的な費用を最優先するなら、CAD/CAM冠は良い選択肢です。
長期的な美しさと健康(美しさの持続、虫歯リスク低減、アレルギーの心配なし)を重視するなら、自費のセラミック治療に大きなメリットがあります。
まとめ
銀歯には、見た目だけでなく金属アレルギーや二次虫歯といったリスクがあります。
セラミックは、審美性・安全性・耐久性に優れた素晴らしい材料です。
ご自身の希望や歯の状態に合ったセラミックの種類を選ぶことが重要です。
保険の白い歯とは、美しさの持続性や健康面で大きな違いがあります。
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