掌蹠膿疱症の原因は口の中?歯科金属や歯周病との関連を解説
2025/11/20
こんにちは。武蔵小杉の歯医者、武蔵小杉ネゴ歯科矯正歯科です。
「手のひらや足の裏にブツブツができて、かゆいし痛い…。」
「皮膚科に通っているのに、なかなか良くならない…。」
このような症状でお悩みの方はいませんか?
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に膿をもった水疱(膿疱)が繰り返しできる慢性的な皮膚疾患です。
強いかゆみや痛みを伴い、皮膚が厚くなったり、ひび割れを起こしたりすることもあります。
皮膚科での治療を受けても改善しない場合、「口の中」が関係している可能性があることをご存知でしょうか?
実は、掌蹠膿疱症は歯科金属アレルギーや歯周病、根尖性歯周炎(歯の根の先の炎症)など、口腔内の環境と深く関係していることがわかっています。
さらに、耳鼻咽喉科領域の慢性炎症も影響を与えることがあります。
今回は、掌蹠膿疱症と歯科金属アレルギー、歯周病、根尖性歯周炎、さらには耳鼻咽喉科領域の慢性炎症との関連について詳しく解説し、当院での治療アプローチについてもご紹介します。
掌蹠膿疱症とは?
掌蹠膿疱症の特徴
掌蹠膿疱症は、手のひら(掌)や足の裏(蹠)に膿を伴う発疹ができる疾患で、以下の特徴があります。
慢性的に症状が続く:膿疱ができては消え、また新たに発生する。
強いかゆみや痛みを伴うことがある。 皮膚が厚く硬くなる(角化症)ことも。 爪にも影響を及ぼし、変形することがある。 左右対称に発症することが多い。 膿疱が破れた後、茶色いかさぶたができる。
掌蹠膿疱症の主な原因と発症メカニズム
掌蹠膿疱症の明確な原因は完全には解明されていませんが、免疫異常が関与していると考えられています。
以下のような要因が複合的に影響し、発症すると考えられています。
金属アレルギー(歯科金属を含む)
歯の詰め物や被せ物に含まれる金属が体内に溶出し、アレルギー反応を引き起こす。
免疫システムが過剰に反応し、皮膚に炎症が生じる。
慢性炎症(歯周病や扁桃炎など)
口腔内や耳鼻咽喉領域の慢性炎症が免疫異常を引き起こす。
歯周病菌が血流を介して全身に影響を与え、皮膚症状を悪化させる。
喫煙(特に多くの患者に共通する因子)
ニコチンが免疫系に影響を与え、炎症を促進する。
喫煙者において掌蹠膿疱症の発症率が高いことが報告されている。
ストレスや自己免疫の異常
精神的ストレスが自律神経や免疫機能に影響を与え、症状を悪化させる。
乾癬と関連があるとも言われ、自己免疫疾患の一種と考えられることもある。
近年、特に「歯科金属」や「歯周病」、そして「根尖性歯周炎」との関係が注目されており、歯科的アプローチによって改善するケースが増えています。
掌蹠膿疱症と口腔内環境の関係
歯科金属アレルギーとの関連
掌蹠膿疱症の患者さんの中には、歯の詰め物や被せ物に使用されている金属が原因となり、アレルギー反応を引き起こしているケースがあります。
歯科金属は、口腔内で長期間にわたって使用されるため、唾液によって微量の金属イオンが溶出することがあります。
この金属イオンが体内に取り込まれると、免疫システムが異物と認識し、アレルギー反応を引き起こすことがあります。
その結果、皮膚に炎症が起こり、掌蹠膿疱症の症状を悪化させる要因となるのです。
特に、ニッケル、クロム、コバルト、パラジウムなどの金属はアレルギーを引き起こしやすく、銀歯(パラジウム合金)が使用されている患者で症状が悪化することが報告されています。
金属を除去し、セラミックなどの非金属材料に変更することで症状が改善することも多く、当院では金属アレルギーのパッチテストを推奨しています。
口腔内の金属が溶出し、血流を介して全身に影響を及ぼす。
金属アレルギーにより免疫系が過剰反応し、皮膚の炎症を引き起こす。
金属を除去し、セラミックなどの非金属材料に変更することで症状が改善することがある。
影響を及ぼす金属
ニッケル、クロム、コバルト、パラジウム などは特にアレルギーを起こしやすい金属です。
銀歯(パラジウム合金) に含まれる金属もアレルギーを引き起こすことがあります。
歯周病との関連
掌蹠膿疱症の患者さんの中には、歯周病が進行しているケースが多く報告されています。
歯周病は、歯を支える組織に炎症を引き起こし、進行すると歯を失う原因にもなる疾患です。この炎症が慢性的に続くことで、免疫システムが過剰に働き、全身の炎症反応を引き起こす可能性があります。
掌蹠膿疱症の患者では、歯周病の進行とともに症状が悪化することが多く、歯周病の治療によって症状が改善するケースが報告されています。
また、歯周病菌は血流を介して全身に広がり、皮膚や他の組織に影響を及ぼすことが知られています。
そのため、歯周病を適切に治療することで、掌蹠膿疱症の症状を軽減することが期待できます。
慢性的な炎症が免疫系を刺激し、皮膚症状を悪化させる。
歯周病菌が血流を介して全身に影響を及ぼす。
歯科治療により歯周病を改善すると、掌蹠膿疱症の症状が軽減することがある。
当院では、Periodontal Risk Assesment(歯周病リスク評価)やImplant Disease Risk Asessment(インプラント疾患リスク評価)といった科学的根拠に基づいた評価ツールを用いて口腔内環境を整えることで、掌蹠膿疱症の改善をサポートします。
根尖性歯周炎との関連
根尖性歯周炎とは、歯の根の先に炎症が起こる疾患です。
この慢性的な炎症が免疫異常を引き起こし、全身の炎症反応を高めることで、歯周病と同様、掌蹠膿疱症を悪化させる可能性があります。
根尖性歯周炎を治療することで、掌蹠膿疱症の症状が軽減するケースも報告されています。
当院では、マイクロスコープ、ラバーダム、CTなどを駆使した精密根管治療により、掌蹠膿疱症の改善をサポートします。
当院での治療法
当院では、以下の治療を通じて掌蹠膿疱症の改善をサポートしています。
マイクロスコープを使用した精密根管治療
根尖性歯周炎の原因を徹底的に除去し、炎症を抑える。
金属の詰め物・被せ物の除去とセラミック治療
金属アレルギーのリスクを排除。
歯周病治療(専門的クリーニング)
歯周病を改善し、全身の炎症を軽減。
皮膚科での治療で改善しない掌蹠膿疱症の方は、ぜひ一度ご相談ください。
口腔内の治療が、新たな改善の道を開くかもしれません。
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