入れ歯治療
- カウンセリング・お口の診査
まずは患者様のお悩みやご希望を詳しくうかがいます。
その後、お口の中の状態(歯ぐき、かみ合わせ、残っている歯の健康状態など)を丁寧に確認します。 - 型取り(一次印象)
既製のトレーを使い、義歯作成のための最初の型取りを行います。 - 精密な型取り(筋圧形成と最終印象)
場合によってはさらに細かく正確な型をとるため、一次印象の模型を使ってカスタムトレーを作製します。
それを使ってもう一度型取りを行うことでよりフィットする義歯を作ることができます。 - 噛み合わせの記録(咬合採得)
お口を自然に閉じたときの顎の位置や高さを記録します。
快適な噛み心地や見た目のバランスを整える大切な工程です。 - 試適
仮の義歯を作り、お口に合わせてみます。
この段階で噛み合わせや見た目、装着感などを細かくチェックし、必要があれば調整します。 - 完成・装着
最終的な義歯が完成したら、お口に合わせて装着します。
痛みや違和感がないかを確認しながら、しっかりフィットするよう微調整を行います。 - 入れ歯の調整
入れ歯は装着直後は使用していると痛みが発生することがほとんどです。
入れ歯装着後は1週間に1度のペースで来院していただき痛みが落ち着くまで調整を行います。
調整が終わるまでに2~5回程度来院していただく必要があります。 - メンテナンスとアフターケア
義歯は使っていくうちにお口の状態に合わせた調整が必要です。
定期的なチェックとメンテナンスで、快適な使用をサポートします。

「入れ歯が痛い」
「外れやすい」
「見た目が気になる」
「昔の入れ歯が合わなくなってきた」
こうしたお悩みを抱えていらっしゃる方は、決して少なくありません。
けれど、「年齢のせいだから仕方ない」と、我慢していませんか?
当院では、患者さま一人ひとりのお口とライフスタイルに寄り添った、快適な入れ歯治療をご提供しています。
保険・自費を問わず、丁寧な診療と長く安心して使える入れ歯を大切にしています。
入れ歯治療に対する当院の想い
当院の院長・副院長は共に日本補綴歯科学会の認定医として、専門的な知識と技術をもとに、入れ歯治療を行っています。
院長は高齢者歯科学の分野で、IARPD(インプラントを併用した入れ歯治療)やドライマウスの研究に従事し、噛む・話す・飲み込むといった機能の回復と予防に力を入れてきました。
こうした専門的なバックグラウンドを活かしながら、「噛めるようになるだけでなく、毎日がちょっと明るくなる入れ歯治療」を目指しています。
入れ歯治療の流れ
安心のアフターフォロー:入れて終わりではありません

入れ歯は「作って終わり」ではありません。
使用していく中で、歯ぐきの形や噛み合わせは少しずつ変化していきます。
当院では、下記のような入れ歯を使い続ける中でのお困りごとにも、責任をもって対応しています。
装着後の定期的なメンテナンス
入れ歯の微調整
バネの緩み修理
破損時の迅速な修復対応
より快適に、美しく。自費の入れ歯メニューもご用意しています
「見た目も自然にしたい」
「もっとフィット感のある入れ歯が欲しい」
「金属が見えるのが気になる」
そんな方のために、当院ではさまざまな自費診療の入れ歯もご用意しています。
金属床義歯(きんぞくしょうぎし)

金属床義歯とは、入れ歯の「土台」の部分を金属で作る義歯のことです。
一般的な保険の入れ歯は「レジン(プラスチック)」でできており、厚みがあり、熱を伝えにくいため、食事中に違和感を覚えやすいというデメリットがあります。
それに比べて金属床義歯は、強度の高い金属を使用することで薄く、軽く、そして熱がよく伝わるという特徴があります。
たとえば、熱々の味噌汁や冷たいアイスの「温度」がしっかりと伝わるため、食事をより美味しく楽しむことができます。
また、薄い分だけ口の中の違和感が少なく、発音もしやすいです。
当院では、患者さまのお口の状態や生活スタイルをよくお聞きしながら、コバルトクロム、チタンなどお身体に優しく、金属アレルギーにも配慮した素材も選択可能です。
メリット
土台が薄く作れるため、装着時の違和感が少ない
金属が熱を伝えるため、食べ物の温度を感じやすく、美味しく食事ができる
強度が高く、壊れにくいため、長期間使用可能
発音がしやすく、会話のしにくさが軽減される
カスタマイズ性が高く、快適な装着感を実現しやすい
デメリット
自費診療のため、費用が比較的高額
金属を使用しているため、金属アレルギーのリスク
修理や調整には専門的な技術が必要となることがある
ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、その名の通り「クラスプ(金属のバネ)」がないタイプの部分入れ歯です。
保険の入れ歯でよく見られる金属のバネは、どうしても見た目に影響を与えてしまいますが、ノンクラスプデンチャーは歯ぐきに近い色の弾力のある樹脂で作られており、装着していても目立ちにくく、自然な見た目を実現できます。
また、弾力性のある特殊な素材を使用しているため、しっかりとフィットし、安定感があります。
見た目を大切にしたい方や、接客業・サービス業などお仕事柄「入れ歯を見せたくない」という方に選ばれています。
ただし、素材の性質上、強い力には弱く、長期間使用することで劣化する場合もありますので、定期的なメンテナンスが大切です。
メリット
金属のバネがないため、入れ歯と気づかれにくい自然な見た目
歯ぐきに近い色の素材で、審美性が非常に高い
金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない
弾力のある素材でフィット感が良く、装着感が柔らかい
デメリット
自費診療であるため、保険の入れ歯より費用がかかる
修理や調整がやや難しく、劣化が早いこともある
強い力に弱く、噛み合わせが強い方には不向きな場合がある
アタッチメント義歯(磁性アタッチメントは保険可能)

アタッチメント義歯とは、残っている歯に「金属のバネ」を使わずに特殊な装置(アタッチメント)で固定する高機能な入れ歯です。
たとえば、差し込み式の鍵やスナップボタンのような構造で、見た目はとても自然で、しかもズレにくいという大きなメリットがあります。
このアタッチメントによって、入れ歯がピタッとはまり、しっかりと固定されるため、会話中や食事中に外れたり動いたりする心配が少なくなります。
ただし、この義歯を使用するには、支えになる歯がしっかりしていることが条件になります。
また、歯に装置を取り付ける必要があるため、一部の歯を補強する治療(クラウンなど)が必要な場合もあります。
費用はかかりますが、「見た目と機能を両立したい」「入れ歯と気づかれたくない」という方にはぴったりの選択肢です。
メリット
金属のバネが見えないため、見た目が非常に自然で美しい
アタッチメントで固定するため、安定感がありズレにくい
会話中や食事中に動きにくく、しっかり噛める
取り外し可能で、清掃もしやすい
デメリット
自費診療で、費用が高くなる傾向がある
支えになる歯にクラウン(被せ物)などの追加処置が必要なことがある
アタッチメント部の定期的なメンテナンスが必要
対象となる患者さまはある程度健康な残存歯がある方に限られる
インプラント義歯(インプラントオーバーデンチャー)

インプラント義歯は、インプラント(人工の歯根)を顎の骨に埋め込み、それを支えにして入れ歯をしっかり固定する治療法です。
「総入れ歯がズレやすい」「硬いものが噛めない」「外れやすくて不安」といったお悩みを抱えている方におすすめの方法です。
通常の総入れ歯は、歯ぐきの粘膜の吸着力で支えますが、インプラント義歯は骨に固定されたインプラントによってしっかりと安定するため、強い力で噛めるだけでなく、会話や笑顔のときも安心です。
しかも、インプラントは2~4本程度で済む場合もあり、全ての歯をインプラントにするよりも費用や負担が軽くなるというメリットもあります。
当院では、歯科用CTを用いて骨の量や神経の位置を正確に把握し、安全にインプラント治療を行っています。
「インプラントは怖い」と思われる方にも、丁寧にカウンセリングを行い、不安を取り除くサポートをいたします。
メリット
インプラントで固定するため、総入れ歯でもしっかりと安定する
硬いものでもしっかり噛めるようになる
会話中に外れる心配がなく、自信をもって話せる
通常のインプラントより本数が少なく済むことが多く、費用・負担を抑えやすい
清掃しやすく、衛生的な状態を保ちやすい
デメリット
インプラントを埋め込むため、手術が必要になる
顎の骨の状態によっては適応できない場合がある(骨の量が少ないなど)
自費診療で、高額な治療費がかかる
定期的なメンテナンスが不可欠(インプラント部分と入れ歯の両方)
口腔機能低下症・フレイル(虚弱)への予防的アプローチ

入れ歯治療は、「見た目」や「噛む力」だけの問題ではありません。
実は、「しっかり噛めない」「うまく話せない」「飲み込みにくい」といった状態は、口腔機能の低下(オーラルフレイル)のサインでもあります。
この状態が続くと、やがて全身のフレイル(虚弱)につながり、要介護リスクや認知症のリスクも高まると言われています。
当院では、
口腔機能低下症のスクリーニング
しっかり噛める入れ歯の提供
嚥下機能・発音への配慮
口腔ケアの習慣づけ
などを通して、「健康寿命を延ばすための入れ歯治療」を大切にしています。